離婚手続きを弁護士に依頼するタイミングは?泥沼化予防は早めの相談が肝心
離婚手続きに専門家介入が必要とも限りません。
冷静にじっくりと話し合える関係性なら、最後まで弁護士を挟まず、夫婦だけで離婚成立を目指すのが理想的です。
ところが実際に協議を始めてみると、途中で「どうも話が進まない」という状況に陥ることがあります。
慰謝料請求や調停申立に発展すると、もはや代理弁護士は必須です。
専門家への依頼に「早すぎる」または「遅すぎる」ということはありません。
状況の見極めに苦慮している人へ、弁護士に離婚問題をバトンタッチすべき時期の目安についてお話します。
弁護士依頼は「離婚を切り出すとき」がベストタイミング
弁護士を頼るタイミングとして最も望ましいのは、離婚を決心してこれから配偶者に切り出そうとする段階です。
離婚協議が始まると、普段は意識しない夫婦に課せられた法律上の義務に沿って、膨大な数の取り決めをしなければなりません。
離婚問題の中心となる財産分与を例にとってみると、法律では「共有財産の分割」「婚姻費用の相互負担」「日常家事債務」など細分化されています。
お互いに安心して離婚後の生活に向かうには、取り決めるべきことを網羅しつつ、夫婦間特有の問題にも向き合わなければなりません。
これらをまとめて把握し、離婚手続き全体の監修役として立ち回れるのが、弁護士のメリットです。
より早い段階で依頼するほど、弁護士による手続きのレール敷設が容易になります。
途中で話が進まなくなるリスクを抑え、夫婦が本心で望む「迅速な離婚成立」を実現しやすくなるのです。
法律相談だけでもメリットがある
「専門家介入による配偶者の反応が怖い」「費用負担に難がある」という状況でも、ひとまず法律相談しておくことに意義があります。
弁護士が最初に果たす役割は、一般的な協議離婚の流れの案内役です。
専門家だからこそ知る膨大な離婚事例をベースに、よくあるトラブルの防止策についても教示してもらうことが出来ます。
「離婚協議が始まる前から夫婦間の対立が激しくなっている」という例は稀です。
受任時点で泥沼化していたケースのほとんどが、協議のごく初期に感じた“違和感”を夫婦双方が放置しています。
軽い風邪をひいて本格的な症状が始まるときと同じように、途中で述べられた些細な意見の違いがトリガーとなって“違和感”が“不信感”に変わってしまうのです。
弁護士が離婚手続きの流れを組み上げる過程で「この認識のすり合わせはしておいたほうがいい」「夫婦にはこんな義務がある」と説明しておくだけで、泥沼化の元となる違和感を払拭しておけます。
すぐに弁護士に依頼すべきタイミング
「家庭内のことは自分達だけで解決しよう」という夫婦の決断は最大限尊重されるべきです。
しかし、無理に2人だけで抱え込む必要はありません。
危機感を覚えたときにすぐ弁護士に依頼することで、離婚手続きの遅滞により失うものを減らせます。
話がこじれる(かみ合わない)と感じたとき
主張が折り合わなくなったときは、第三者に論点整理してもらうのが良い方法です。
仲裁役は友人知人や実家ではなく、弁護士こそ適任です。
家庭外の人物を巻き込めば、離婚によるダメージが夫婦それぞれの持つ人脈に波及します。
弁護士であれば、守秘義務により離婚前後の人間関係に影響を与えません。
お互いの主張の法的合理性も的確に指摘することで、話し合いの軌道修正役として最大限役割を果たせるのもメリットです。
慰謝料請求したいorされたとき
慰謝料請求の場面では、お互いにそのつもりがないにも関わらず、感情に任せた終わりのない協議が行われがちです。
不貞行為やDVの被害に遭った側が「相場ではなく精神的苦痛に見合う額が欲しい」と願うのは当然でしょう。
一方の加害者に「しっかりと謝って義務を果たす」という意志があっても、容易に受け入れてはもらえません
しかし、慰謝料には実務基準に基づく相場があります。
過去の判例には「離婚原因との因果関係」や「双方責任の有無」も金額に反映されており、資力も勘案した上で請求額を決めるのが一般的です。
適正な金額を弁護士サイドから提案することで、実現可能な方法で責任を果たす/果たさせるという協議の出口を見つけることが出来ます。
【弊所からのメッセージ】双方納得できる解決策を心がけています。
弁護士の役割について「依頼人が一方的に有利にすること」と誤解されがちですが、決してそうではありません。
弊所では、相手方からも信頼されること・離婚後の生活を含め双方納得できる結論を出すことの2点を基本方針としています。
慰謝料請求の場面において、どちらかが無理な条件を飲むことばかりが解決策ではありません。
経験と他社事例をもとに、様々な角度から最適なアドバイスを提供します。
調停・訴訟に発展したとき
調停または訴訟では、弁護士の存在が必須です。
調停員は早期和解を重視するため、積極的に譲歩を勧めながら時に厳しい意見を述べる傾向があります。
2ヵ月に1度のペースでやってくる調停期日では、ごく限られた時間内で調停員の風向きを味方につけなければなりません。
あくまでも自身のペースで主張を続ける上で、司法判断に通じた弁護士は重要な存在です。
申立書や本人の言葉だけでは伝えきれない様々な事情も、裁判所の好む表現で全て伝えることが出来ます。
離婚手続きの見通しは無料相談でアドバイスできます
弁護士への依頼タイミングに早すぎるということはありません。
夫婦のどちらかが離婚を決意した段階で、法律相談だけでも済ませておくのが望ましいでしょう。
泥沼化の気配があるときは、無理に家庭内の話し合いだけで解決を目指す必要はありません。
弁護士が一般良識と法的知識をもとに軌道修正することで、迅速で痛みの少ない離婚成立を目指せます。
弊所では「いま依頼すべきか分からない」「一旦話し合ったが違和感がある」というご相談に対応できるよう、無料相談窓口(初回60分間/平日のみ夜間対応可)をご用意しています。
まずは心を楽にするためにご利用下さい。