不貞行為の慰謝料は「状況と交渉次第」―弁護士介入のメリット

配偶者の不貞行為が発覚したときは、離婚するかしないかに関わらず、すぐに慰謝料請求に向けて準備しておくことが大切です。

すぐに弁護士に相談するべきか被害者自身で判断できるよう、不貞慰謝料の具体的な相場や請求時のポイントについて紹介します。

不貞慰謝料額


不貞慰謝料の金額は当事者間で決められることが多く、裁判所でも平均値は集計されていません。

しかし、・平成10年度の司法統計では財産分与との合計額で平均380万円(婚姻期間15年以上なら600~700万円)であることが分かっています。

相場ではなく「相手の支払える最大額」を請求してみることが大事


データや実例を見る限り、相場と呼べる確かな数字はありません。

当然ながら資力による格差が広く、子供の数・婚姻年数が強く影響します。

個別の事例ごとの不貞慰謝料の金額は、交渉や離婚調停の行く末を読みながら、被害者が自由に決めて構わないのです。

【アドバイス】まずは請求したい額を提示することが大切です。

不貞慰謝料の金額を決めるときは「支払ってもらえそうな額」ではなく「相手の支払える最大額」を基準にするのがポイントです。

お金で解決したがる不倫加害者に対しては、相当額を請求しなければ被害者の苦痛は言えません。

反対に、相手に支払わせることを重視するなら、あまりに高すぎる金額を請求するのは望ましくないでしょう。

請求すべき金額が分からない・請求に着手したが相手が難色を強く示している等のご状況については、弊所無料相談(初回60分間)でアドバイスさせていただきます。

不倫相手にも慰謝料請求できる


慰謝料は不倫相手にも請求できます。

本来、不貞行為による慰謝料(共同不法行為による損害賠償責任)は当事者が分担すべきものです。

配偶者が全額責任を果たすと主張していても、不倫相手に請求を行うかどうかは被害者が自由に判断して構いません。

慰謝料請求時のポイント


実際に不貞慰謝料を請求する際は、相手による言い訳や抵抗は当然予測されるでしょう。

「法律ではなく個人間の話し合いだけで処理すべきだ」などと問題が矮小化されないとも限りません。

そこで「不貞行為が当事者の悪意に基づくものである」「実際に損害を被っている」という下記事実をハッキリさせておく必要があります。

    【慰謝料請求のときに立証すべきこと】

  • 既婚者だと知りながら関係を持っていた
  • 継続的に肉体関係を繰り返し持っていた
  • 不貞行為が離婚原因に直結している

これら事実の立証にかかせないのが、写真や念書等による”不倫”の証拠です。

まずは不貞行為の証拠を集める


請求に着手する前、できれば当事者による隠蔽が行われないうちに、不倫の事実を確信したきっかけとなるもの(写真・映像・書類など)を収集しましょう。

以下は離婚裁判に発展したときに立証手段として役立つものです。

    【不貞の証拠になるもの】

  • 不貞行為中の写真・映像・音声
  • 不倫の事実が分かるメッセージ履歴
  • 不倫当事者が事実関係を認めたときの音声記録
  • 不倫の事実を認める内容の念書
  • 宿泊施設や生理用品購入時の領収書
【Point】“決定的証拠”にこだわる必要はありません。

不倫の証拠は必須ではありません。

代理弁護士による交渉が始まった時点で、相手があっさりと事実を認めて賠償責任を認めるケースが数多くあります。

弊所ではこれまでの経験を通じて得た家事問題の事例をもとに、個別のケースに合わせた慰謝料請求成功のノウハウを持っています。

「証拠はないが確信だけでも慰謝料請求できるか」というご質問も気軽にぶつけてください。

財産分与や養育費の問題と混同させない


不貞慰謝料の交渉を始めるときは、不貞慰謝料とは別に財産分与・親権・養育費の問題も協議しなければなりません。

なかには「慰謝料を話し合うのだから財産分与は不要だ」と主張する不倫加害者もいますが、法律上は夫婦共有財産の分割(=財産分与)と慰謝料請求(=損害賠償)は別物です。

相手のペースに飲まれず、ひとつひとつの事項を丁寧に話し合う必要があります。

不貞慰謝料の請求を弁護士に依頼するメリット


不貞慰謝料の請求を当事者間で済ませようとすると、相手のペースに飲まれて減額に応じさせられてしまう場合があります。

慰謝料との交換条件で不当な約束を押し付けられるケースも少なくありません。

不倫当事者の出方が読めない段階から弁護士に任せておくことで、これらのリスクを限りなくゼロに近づけることが出来ます。

交渉だけで慰謝料額の最大化


弁護士介入の最大の効果は、家庭裁判所を挟まず、当事者だけで納得できる金額の支払いに応じさせられる可能性が高い点です。

司法は早期解決を望むのに対し、弁護士はあくまでも「精神的苦痛に見合う金額を支払うべきだ」というスタンスで臨みます。

調停や裁判まで徹底的に争っても被害者側に譲歩(=提示金額の減額)が奨められるのに対し、弁護士による交渉なら請求額の最大化が望めるのです。

不貞行為以外の離婚の悩みも一緒に解決できる


弁護士は「不倫だけではなく離婚全体(もしくは夫婦のやり直し)が解決を要するテーマであること」を前提に、財産分与や不倫解消などの総合的解決を試みます。

慰謝料交渉だけでなく家庭内問題解決までの道をデザインし、不倫加害者に協議の主導権を握らせることはありません。

被害者自身があれこれと思い悩むことなく、弁護士の力で配偶者としての権利を守れます。

まとめ


不貞行為にはしばしば容認しがたい他の事情(家庭の状況や浮気相手との親密さ)があり、相場を超える高額請求が認められるケースも珍しくありません。

被害者は出来る範囲で立証責任を果たし、精神的苦痛に見合う金額を強く主張すべきです。

弊所では「不貞被害者が精神・経済の両面で納得できる離婚交渉」をモットーに、ケースに合わせたアドバイスを行っております。

心の整理がつかないとき、不貞が発覚したばかりで慰謝料請求の方向性について目途が立たないときは、気軽に無料相談をご利用ください。

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